第11回 アセトアミノフェンによる肝障害はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、アセトアミノフェンの肝障害についてご紹介します。

結論から!アセトアミノフェンの肝障害は、【薬物毒性による副作用】です。

NSAIDsの主な効果は、炎症がある局所におけるプロスタグランジン(prostaglandin;PG)の産生阻害です。

カロナール錠®インタビューフォームによると、アセトアミノフェンは、常用量では大半が肝臓でグルクロン酸抱合や硫酸抱合で代謝され、排泄されます。一部は、チトクロームP450(主にCYP2E1)で酸化され、活性代謝物N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)を生成します。NAPQI はさらに、肝細胞内でグルタチオン抱合を受けた後、メルカプツール酸として尿中に排泄されます。

しかし、アセトアミノフェンが過剰量となりグルクロン酸抱合や硫酸抱合の処理能力を超えると、主としてチトクロームP450を介して代謝されるようになります。さらにNAPQI の解毒にかかわるグルタチオン抱合能力も限界に達すると、肝内にNAPQI が蓄積し、肝細胞構成蛋白と共有結合して肝細胞障害が惹起されます。

薬物毒性による副作用は、投与量が多いほど、投与期間が長いほど起きる可能性が高くなる副作用です。薬の服用を継続している限り注意する必要があります。

添付文書【警告】の項にも、「本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること」と記載されています。

高用量で長期投与する場合以外でも、高齢者ではグルタチオン合成能が低下しており肝障害が現れやすくなります。絶食・低栄養状態・摂食障害等でもグルタチオン欠乏が起こりやすいため要注意です。

検査値に変化は見られないか?を確認することで早期に発見することができる副作用だね。
重複服用による過量投与にも注意が必要だよ。アセトアミノフェンを含む一般用医薬品(総合感冒薬等)と併用しないよう患者さんへ伝えておこう!

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