第13回 グリメピリド錠 重大な副作用の発生機序別分類

2019年12月に公布された改正医薬品医療機器等法(改正薬機法)で、
「薬剤師が、調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行うこと」が義務化されます。

2020年度調剤報酬改定でも、“調剤後のフォローアップ”の評価として「薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算」(30点、月1回まで)が新設されました。

ますます、私たち薬剤師による継続的な副作用モニタリングが必須となりますね。

今回は、調剤後薬剤管理指導加算の対象薬となっているSU剤について!グリメピリド錠を例に重大な副作用の発生機序別分類をご紹介します。

まずは、薬理作用の確認から!グリメピリド錠は、膵臓のランゲルハンス島β細胞上のSU受容体と結合し、ATP感受性K+チャネルを閉鎖して、β細胞膜の脱分極をきたし、電位依存性Caチャネルより細胞外カルシウムが流入してインスリンの分泌を促進させることにより、血糖降下作用を示します。

ここからは、重大な副作用の機序別分類です。
グリメピリド錠の重大な副作用は、【1】低血糖、【2】汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少、【3】肝機能障害、黄疸-です。1つずつ確認していきましょう!

【1】低血糖:薬理作用
インスリンが過剰に分泌されてしまい、ブドウ糖が利用促進されることが原因と考えられます。期待する薬理作用の延長で起きる副作用です。

【2】低血糖:汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少:薬物過敏症
血小板減少を例に分類理由を解説します。
薬剤の副作用による血小板減少は、(1)薬物の薬理作用そのものに骨髄抑制作用がある場合と、(2)本来の薬理作用とはかけ離れた有害事象として発症する場合-があります。
グリメピリド錠に、直接的な血小板減少の薬理作用があるとは考えられないので、(2)に該当すると考えられます。
(2)の場合、副作用の好発時期としては、医薬品投与が初めての場合は、血小板の体内でのターンオーバーを反映して、7日から2週間後に出やすく、原因と考えられる医薬品を過去に投与されている場合には、その後の同一薬剤投与による血小板減少の発現は、数時間から5日以内のことが多いです。投与上のリスク因子として投与量は関係ないことが多いとされています。
よって、薬剤依存性抗体産生つまり薬物過敏症による副作用と考えられます。

【3】肝機能障害、黄疸:薬物過敏症
副作用による肝機能異常は、薬物過敏症による場合と薬物毒性による場合が大部分です。過敏症か毒性を見分ける際に、最も違いが見られるのが検査値の推移です。
薬物過敏症による肝障害は急激なAST、ALT上昇が見られるのに対し、肝毒性のAST、ALT上昇は比較的ゆっくりした経過で上昇します。
重大な副作用である肝機能障害、黄疸は薬物過敏症による副作用と考えられます。

副作用モニタリングについて考えてみましょう!

服用初期は薬物過敏症と薬理作用による副作用を、服用6ヵ月以降は薬物過敏症による副作用の起きる可能性は少なくなりますので、薬理作用からくる副作用を確認していきましょう。

事前に、重大な副作用の初期症状を伝え、初処方時や長期処方の患者さんなど必要に応じてテレフォンフォローによるモニタリングも行っていきましょう。
万が一、薬物過敏症による副作用が発現した場合は薬歴の記録を忘れずに!

テレフォンフォローにチャレンジしてみようかな!
重篤副作用疾患別対応マニュアルが参考になるよ!

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