第17回 低用量アスピリンの胃腸障害はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、低用量アスピリンによる胃腸障害についてご紹介します。

まずは、結論から!低用量アスピリンによる胃腸障害は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

低用量アスピリンの期待される薬理作用について確認しておきましょう。
低用量アスピリンはシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)を阻害(セリン残基のアセチル化)することにより、トロンボキサンA2(TXA2)の合成を阻害し、血小板凝集抑制作用を示します。

抗炎症作用、解熱・鎮痛作用を期待する高用量のアスピリンでは、プロスタサイクリン(PGI2)の生成も抑制します。血小板凝集を促進させるTXA2と血小板凝集を抑制させるPGI2の両方の生成を抑え、結果的に血小板凝集抑制作用が打ち消されてしまいます。

低用量アスピリンによる胃腸障害は、NSAIDsによる胃腸障害と同じ発生機序です。COX-1を阻害することによりPG合成が抑制されることで、胃粘膜保護作用などの防御因子が低下して起こると考えられています。

低用量アスピリンは、腸溶性製剤にすることで、胃粘膜への直接刺激は軽減されていますが、副次的な薬理作用による胃腸障害の頻度は高く予防のためにPPIを併用している場合も多くあります。
「胃は悪くないし…」「鎮痛剤のように胃に負担がかかる薬ではないから…」というような理由で服薬アドヒアランスが低下しないよう、薬の効果からくる副作用を予防するための併用薬である事を事前に伝えておくようにしましょう。

夏場は、最も痛風発作が起こり易い季節だよ!
リスクの高い患者さんは、特に注意しないとね。しっかりチェックしていこう!

第16回 ループ利尿薬の高尿酸血症はなぜ起こるの?>>

ページトップへ戻る