第24回 ジゴキシンによる消化器症状はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、ジゴキシンによる消化器症状(食欲不振・悪心・嘔吐)についてご紹介します。

まずは、結論から!ジゴキシンによる消化器症状(食欲不振・悪心・嘔吐)は、【薬理作用による副作用】です。

ジギタリス製剤は、Na+/K+ATPaseを阻害することにより、細胞内のNa+濃度を上昇、Na+-Ca2+交換系が抑制され、Na+の流入低下、Ca2+の流失低下を起こします。その結果、細胞内のCa2+濃度が上昇するため、心筋収縮力が増大(強心作用)されます。また、迷走神経の刺激作用と房室結節の興奮電動抑制作用があり、心拍数を減少させます。

消化器症状(食欲不振・悪心・嘔吐)は、どのような機序で発現するか確認していきましょう!

ジギタリス製剤は迷走神経の興奮により心拍数を減少させる作用(陰性変時作用)があります。迷走神経は頭部や頸部、胸部、腹部のすべての内臓に分布し、心拍数の調整、胃腸の蠕動運動などに関与しています。

また、ジギタリス製剤は化学受容器引金帯(CTZ)を刺激し嘔吐中枢に対する作用があります。迷走神経を介した作用もあるため交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより食欲不振・悪心・嘔吐が起こると考えられています。

この消化器症状は、重大な副作用であるジギタリス中毒の初期症状です。
ジギタリス中毒は、ジゴキシンの血中濃度上昇が原因で起きる副作用で、重大な副作用です。高度の徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがあります。また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがあります。

初期症状として消化器症状の他に、視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)、精神神経系症状(めまい、頭痛、失見当識など)があらわれることが多いです。

また、ジゴキシンは腎排泄型の薬剤であるため、投与量の変更がなくとも腎機能が悪化する事で、過量投与となる可能性もあります。
腎機能の推移もチェックしていくようにしましょう。

消化器症状は、ちょっとした体調不良でも現れやすい症状だね!
患者さんへの事前説明をしっかりと行い、副作用の可能性を見落とさないようフォローアップしていこう!

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