第27回 ツロブテロールテープによる心悸亢進はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、ツロブテロールテープによる心悸亢進についてご紹介します。

まずは、結論から!ツロブテロールテープによる心悸亢進は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

ツロブテロールは、気管支平滑筋のβ2 受容体に作用し、β2 受容体と密接に関係のある酵素adenyl cyclaseを賦活化します。これにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気管支平滑筋を弛緩させ気管支を拡張することで呼吸器症状を改善します。

ツロブテロールは、気管筋に対する作用選択性(β2 受容体に対する選択性)がありますが、濃度が上昇しβ1作用が現れることで、心拍数および心収縮力が増強されます。また、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることも合わせて心悸亢進につながると考えられます。

ツロブテロールテープは、経口剤に比べ副作用の発現頻度は低いですが、
・即効性がある薬剤ではないため、1枚貼付して効果が出ないからと追加で貼付してしまう
・既に気管支拡張剤が入っている経口剤が処方され服用しているのに、咳がひどいからと家に残っていたツロブテロールテープを貼付してしまう
・ツロブテロールテープを咳止めと勘違いし、咳が出るからと、家に残っていたものを貼付してしまう
など、誤った使用方法をすることで、血中濃度が上昇してしまい心悸亢進などの副作用発現につながる可能性があります。

また、心疾患のある患者さんには慎重投与です。

初めて処方される患者さんはもちろんだけど、以前使用した経験のある患者さん(保護者の方含む)にも確認が必要だね!
作用機序の理解度を再度確認して、誤った使用方法による副作用発現が起こらないように注意しよう!

<<第28回 速効型インスリン分泌促進薬による心筋梗塞はなぜ起こるの?

第26回 メトホルミンによる乳酸アシドーシスはなぜ起こるの?>>

ページトップへ戻る