第28回 速効型インスリン分泌促進薬による心筋梗塞はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、速効型インスリン分泌促進薬の重大な副作用である心筋梗塞についてご紹介します。

まずは、結論から!速効型インスリン分泌促進薬による心筋梗塞は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

速効型インスリン分泌促進薬は、膵β細胞のスルホニル尿素(SU)受容体へ結合し、ATP感受性K+チャネル電流を阻害することにより、インスリンの分泌を促進します。SU構造は持っていませんが、SU薬と同様の作用機序で、作用発現が早く作用時間が短いことが特徴で、食後高血糖の是正に適しています。

ATP感受性K+チャネルは膵β細胞の他に心筋・血管平滑筋にも存在し、心筋保護や血管の緊張に関係していると言われております。このため、速効型インスリン分泌促進薬がSU受容体に結合することで、これらの機能が抑制され、心筋収縮力の低下が起き、心筋梗塞に繋がる可能性が考えられます。

血糖降下薬により、血糖コントロールすることで動脈硬化を予防し、虚血性心疾患の危険性を低下させることができますが、速効型インスリン分泌促進薬は、虚血性心疾患のある患者さんには注意が必要です。

また、糖尿病の方や高齢者は、知覚神経の低下により発作による自覚症状を認知できないことがあるので要注意です。心電図など定期的に検査をおこなっているかも合わせて確認しましょう。

速効型インスリン分泌促進薬による心筋梗塞は稀な副作用だけど、狭心症などの疾患のある患者さんに処方された際は、注意が必要だね!
服用期間中の体調変化を見逃さないようにしましょう。

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