第29回 コリンエステラーゼ阻害薬による 消化器系症状はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、コリンエステラーゼ阻害薬による消化器系症状についてご紹介します。

まずは、結論から!コリンエステラーゼ阻害薬による消化器系症状は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

アルツハイマー型などの認知症では、神経伝達物質アセチルコリンが関わる神経系の障害などが原因となり記憶障害などの症状が発現します。

コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害することにより、主に脳内におけるアセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活化し認知機能低下の進行を抑制します。

食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢などの消化器系症状は、増加したアセチルコリンが、消化管に存在するムスカリンM3受容体を刺激してしまうことで起こると考えられます。

消化器系症状の多くは、内服開始後および増量後に出現します。この為、内服開始時は、消化器系症状を抑える目的で低用量から開始されます。

薬理作用による副作用の為、軽度なものであれば多くの場合、体が慣れてきて様子をみているうちに自然に軽快します。

内服開始時は有効用量じゃないから、薬効を感じることなく消化器系症状だけが発現することも多いよ!
自己判断での服薬中断しないように、事前説明と服薬期間中のフォローアップをするようにしよう!

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