第39回 ジソビラミドによる低血糖はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、ジソビラミドによる低血糖についてご紹介します。

まずは、結論から!ジソピラミドによる低血糖は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

抗不整脈薬Ⅰa群であるジソピラミドは、Na+チャネルを遮断し、N+の細胞内への流入を抑え、心筋活動電位の立ち上がりを抑制することで、抗不整脈作用を示します。また、K+チャネル遮断作用により、活動電位持続時間(APD)を延長します。

ジソピラミドによる低血糖は、膵β細胞ATP感受性K+チャネルも遮断してしまうことで、インスリンの分泌が促進されるためと考えられています。

低血糖は薬理作用によるものなので、用量に依存し発現しやすくなります。腎機能障害のある患者さんでは、ジソピラミドの排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある為、特に注意が必要です。

添付文書にも、高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者で低血糖が現れやすく、特に、透析を含む重篤な腎障害のある患者さんでは、意識混濁、昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。と記載されています。

高齢者の場合、症状が遷延化し食欲不振などの体調変化として現れ、低血糖が進んで思考力低下や意識低下が起こって初めて低血糖に気づくことが多くなります。また、腎機能の悪化によって低血糖が急激に生じることもあります。

また、糖尿病用薬(インスリン、スルホニル尿素系薬剤など)を服用している患者さんでは、ジソピラミド併用によって血糖降下作用が増強される可能性があります。このような患者さんでは、特に、低血糖発現についてしっかりと説明するようにしましょう。また、ジソピラミド服用による血糖値の推移を確認するようにしましょう。

前回ご紹介したARBも含め、副次的な薬理作用による副作用として低血糖を発現する薬は意外とたくさんあるよ。
本来の薬理作用とかけ離れた症状の場合、患者さんは薬が原因だと気づき難いね。事前に患者さんに伝え、服用期間中の体調変化をしっかりとチェックしていくようにしましょう!

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