第44回 メトホルミンの消化器症状はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、ビグアナイド系経口血糖降下剤であるメトホルミンによる消化器症状についてご紹介します。

まずは、結論から!メトホルミンによる消化器症状は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

メトホルミンは、主に肝臓における糖新生を抑制し、膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を示します。また、末梢組織における糖取り込みの促進、小腸における糖吸収の抑制等も知られています。

メトホルミンによる消化器症状の機序はまだ不明な点もありますが、小腸からの糖吸収抑制により、腸内フローラの変化、小腸ブドウ糖代謝の変化が原因と考えられています。

消化器症状の発現頻度は高く、下痢(40.5%)、悪心(15.4%)、食欲不振(11.8%)、腹痛(11.5%)と添付文書にも記載されています。

副次的な薬理作用による副作用の為、常にチェックが必要な症状ですが、特にメトホルミンを初めて服用する際、増量時には注意が必要です。

消化器症状は、一過性で軽度なものが多く、減量や休薬でほとんどが回復します。しかし、消化器症状は乳酸アシドーシスの初期症状(他に、倦怠感、筋肉痛、過呼吸など)としてもみられ、区別は難しいとされています。

また、下痢、嘔吐による脱水症状から循環不全や組織低酸素状態が起きると乳酸アシドーシスになりやすいので、服薬期間中の体調変化を見逃さないように注意しましょう。

乳酸アシドーシスを起こしやすい要因として、肝障害・腎不全、高齢者、心不全・COPDなど易低酸素状態、下痢・嘔吐・仕事等で脱水になり易い、過度のアルコール摂取、手術前や感染症、妊婦・妊娠の可能性のある方などがあるよ。
服用可否を含め、既往歴や患者背景をしっかりと確認するようにしましょう!

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