第8回 抗菌薬の偽膜性大腸炎はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は抗菌薬の重大な副作用である偽膜性大腸炎についてご紹介します。

結論から!抗菌薬による偽膜性大腸炎は【副次的な薬理作用による副作用】です。

その機序は、抗菌薬投与により菌交代現象が起こり、腸内細菌の一種で多くの抗菌薬に耐性を有する C. difficile が増殖し、本菌の産生するtoxin が腸管粘膜を傷害するためと考えられています。また、一部の症例ではC. difficile 以外の細菌の関与もありうるとされています。 主な初期症状は、頻回の水様下痢、腹痛、発熱、吐き気などです。

抗菌薬で起こる頻度の高い副作用の一つとして下痢【副次的な薬理作用による副作用】があります。抗菌薬は、細菌を殺す作用があるため、腸内の有用微生物群も同様に抑えられてしまいます。そのため、腸内細菌のバランスが崩れ下痢が起こります。この副作用を防ぐために、抗菌薬へ耐性のある乳酸菌または酪酸菌などの製剤が併用される場合が多いです。しかし、それでも下痢が起こる可能性があります。また、その下痢症状は、重大な副作用である偽膜性大腸炎の初期症状の可能性もあります。

偽膜性大腸炎が生じた場合、気づかずに放置すると重症化する場合があります。高齢者や腎不全、がん、白血病などの重篤な基礎疾患をもつ方で発症が多いとされていますので、特に注意が必要です。

このため、抗菌薬が処方された場合は、「抗菌剤を服用すると下痢が起こることがあります」だけではなく、「腸内細菌のバランスが崩れて下痢を起こす」ということ、「抗菌薬を服用していて、または、飲み終わって数日経った後で、水のような下痢、腹痛、発熱、吐き気を伴うような場合は、すぐに連絡すること」を患者さん事前に伝えておくようにしましょう。

利尿薬で女性化乳房のような症状が
私たち薬剤師から、情報提供と症状がないか確認していくことが大切

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