第9回 DPP-4阻害薬の便秘はなぜ起こるの?

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回はDPP-4阻害薬による便秘についてご紹介します。

結論から!DPP-4阻害薬の便秘は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

DPP-4阻害薬は、DPP-4 酵素を阻害しインクレチン(GIP 、GLP-1)のDPP-4 による分解を抑制します。活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善します。(詳細は、添付文書 薬効薬理の項をご確認下さい)

未だ解明されていない部分もありますが、GLP-1受容体は迷走神経下神経節に存在しています。消化管運動の一部は、迷走神経で支配されていることから、インクレチンの濃度が上昇し、刺激されることで、胃内容物の排泄や胃酸分泌が抑制され、便秘や腹部膨満感が起きると考えられています。

便秘は副次的な薬理作用によるものですが、投与初期に発現することが多く体が薬に慣れてくることで改善することが多い症状です。

しかし、重大な副作用である「腸閉塞」の症状である可能性もあります。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等、腸閉塞が疑われる場合は投与を中止し、適切な処置を行う必要があります。腸閉塞症例は、腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者さん等で認められています。

「単なる便秘」or「腸閉塞の可能性」を見極めるためにも、便秘の程度や他に症状がないか、聞き取るようにしよう!
服用開始時の、既往歴チェックも忘れないようにね!

<<第10回 NSAIDsの血圧上昇はなぜ起こるの?

第8回 抗菌薬の偽膜性大腸炎はなぜ起こるの?>>

ページトップへ戻る